CUCINA ITALIANA 小松
京都今出川にオーナーシェフの祖母が飲食店と住居として使用していた、戦前に建てられた町家を改装したイタリアンレストランのデザイン。
祖母が飲食店をされていた頃、近隣の住民の方々親しまれたこの空間の建物の記憶を出来るだけ抽出しながら過去と現在を繋ぐ見えない線が生まれる事を意識し、当時から残っている「かたち」を再利用する事を試みた。
大きな透明ガラスが嵌められたファサードは、入り口より30cm上がり舞台と見立てたライブ感のある店内を外から感じる事ができ、行き交う人への視覚的なアプローチを考慮しながら、特注ペンダントライトをランダムに配置した光の造形と当時から見えていた既存の壁を隠さず、町家では普通使わないダークブルーグレー色に塗る事で新鮮さと空間を立体的に抽出し、奥には外からも中からも見る事が出来る坪庭を作り、広がりを表現した。
またペンダントライトの中には1灯だけ祖母が当時から使用している器具を混ぜていたり、厨房の壁タイルや階段も当時の物を使用し、足りない段数は構造的に使用できなかった既存の梁を使用する事にした。
カトラリーレストやメニュー台も既存の梁を削り出し制作を行い、来客者の手に触れる所にも記憶を取り入れた。
万力のコートフックも初の現場調査の時にカウンターの上にあった形をアウトプットした。
オーナーの石田氏が付けた「小松」という屋号も祖母の代で無くなってしまう「祖母の苗字」を継承し、そこから生まれる当時の建物の形と記憶を空間の中に散りばめ、そこに新しいオーナーの生命が宿るお店になってもらえる事で、地元の方や遠方から来られる方々にもこの場所の歴史的家族の背景を感じてもらいながら食事を楽しんでもらえればと思う。
CUCINA ITALIANA 小松
Type / itarian restaurant
Place / 557 motohyakumanbe aburanokoujidori ichijyonoboru kamigyoku kyotocity kyotojapan
Floor area / 66㎡
Complete / March.2021
Photo / takeshi asano
Lighting / NEW LIGHT POTTERY
Type / itarian restaurant
Place / 557 motohyakumanbe aburanokoujidori ichijyonoboru kamigyoku kyotocity kyotojapan
Floor area / 66㎡
Complete / March.2021
Photo / takeshi asano
Lighting / NEW LIGHT POTTERY