湯村温泉郷 御宿コトブキ




































湯村温泉郷 御宿コトブキ

御宿コトブキは兵庫県美方郡の「寿荘」という地元の温泉宿を、
“生まれ変わりの宿”というコンセプトを軸に改装したプロジェクトである。

「コトブキ」という言葉を引継承し成長していく所から、
古くから受け継がれている日本の伝統色を各エリアに配置し、
視覚的な継承をデザインに落としこんだ。

エントランスは色彩を全て統一した落ち着きのある空間構成を実施。
ベースは濃灰で少しずつ調色を繰り返し、特別な聖域に踏み込むような
非日常で落ち着きのある場所を作った。

鉄筋コンクリート造4階建ての3・4階に客室は位置し、その長い廊下を無彩色の1トーンで構成して、
そこに3階はアイアン、4階は真鍮で出来た客室名サインが立体的に立ち並ぶ。
10部屋からなる客室は全て色彩が違っており、それぞれ伝統色の
「紅梅」「群青」「山葵」「弁柄」「麦藁」「銀鼠」「草柳」「藤紫」「胡桃」「黒柿」とう名称が名付けられており、
温泉宿という事もあり一つ一つの色に対して身体的及び視覚的効果も設計した。

家具の選定も10部屋全て伝統色をベースに全て違うデザインを採用し、
そこに和紙作家のハタノワタル氏の作品をベッドバックにレイアウトする事で、
廊下からの色彩の強弱を意識した、他では見られないコンテンポラリーな空間が生まれた。

色彩という観点で利用者の心理的状況をコントロールする事で、
一般的な温泉宿にはない色使いにこだわり、他との差別化に繋がればと考える。

湯村温泉郷 御宿コトブキ
Type / hotel
Place / 1561-1 yu shinonsencyo mikatagun hyogojapan
Floor area / -㎡
Complete / April.2022
Photo / takeshi asano